毎年5月、6月になると「会社が住民税決定通知書をくれない」という問題が起こります。
最近の住民税決定通知書が欲しい理由は、ふるさと納税の控除額の確認でしょう。
一般的には、住民税決定通知書を配布する会社がほとんどですが、中には配布しない会社もあるようです。
配布するのか?しないのか?
それとも配布する気はあるが、まだ先なのか?
そこが気になるところではないでしょうか?
サラリーマンの場合、一般的に住民税決定通知書は5月か6月に配布されます。
ちなみに個人事業主やフリーランスの場合は、6月上旬に市町村から納税通知書などが送付されてきます。
住民税決定通知書はいつ届くの? 5月か6月
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ふるさと納税の控除額がわかったり、住宅ローンの返済能力の審査に使われたり、何よりその年の住民税の金額を知ることができる住民税決定通知書ですが、いつ届くのでしょうか?
それは、
- サラリーマンの場合:5月か6月の給与支給日
- 個人事業主、フリーランスの場合:6月の上旬
ということになります。
サラリーマンの場合:5月か6月の給与支給日
一般的に、サラリーマンの場合、住民税決定通知書は5月か6月の給与支給日には配布されます。
配布の方法は以下が考えられます。
住民税決定通知書の配布方法
- 給与明細に同封
- 給与明細はイントラネット(社内インターネット)で見て、住民税決定通知書だけ配布する
- 普段はイントラネット(社内インターネット)で見るが、住民税決定通知書配布時のみ紙の給与明細と住民税決定通知書を配布する
令和6年(2024年)から電子化
令和3年度税制改正大綱によって、令和6年(2024年)から住民税決定通知書(特別徴収税額通知書)も電子化可能になると発表されています。
5月か6月
もっとも一般的な給与支給日は毎月25日です。
5日、10日、15日、25日、いわゆる五十日(ごとうび)に支給されることが多く、その中でも最も多くの会社が給与支給日としているのが25日です。
つまり、住民税決定通知書は、以下のいずれかの日に配布されることが多いです。
- 5月25日
- 6月25日
個人事業主、フリーランスの場合:6月の上旬
個人事業主、フリーランスの人は、住民税決定通知書(納税通知書等)が、市町村から直接送られてきますが、それは6月上旬です。
これも市町村によって違いますが、
- 6月10日
としている市町村が多いようです。
住民税決定通知書でなにがわかる? ふるさと納税や住宅ローンの控除額
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なぜみなさんが住民税決定通知書を待っているのでしょうか?
それは住民税決定通知書でわかることがあるからだとおもいます。
住民税決定通知書でわかること。それは主に
- ふるさと納税の控除額
- 住宅ローン控除の控除額
ふるさと納税の控除額
住民税決定通知書でふるさと納税の控除額を確認することができます。
ふるさと納税にはワンストップ特例制度と確定申告がありますが、ふるさと納税をワンストップ特例制度を利用して申請すると、住民税の減税のみの控除となります。
ふるさと納税を確定申告すると、住民税と所得税の両方からの控除となります。
ふるさと納税を行った年の所得税からの控除(還付)と、翌年の住民税から控除となります。
>住民税決定通知書とふるさと納税の関係についてくわしくはこちら

住宅ローンの控除額
住宅ローン控除(住宅ローン減税、正式名:住宅借入金等特別控除)は住宅ローンを組むと、所得税や住民税から控除を受けることができます。
基本的に所得税から控除されますが、所得税から控除しきれなかった額は住民税から控除されます。
ちなみにサラリーマンの場合、住宅ローン控除は、1年目は確定申告(還付申告)の必要があり、2年目以降は会社が源泉徴収をします。
個人事業主やフリーランスの場合は、毎年確定申告します。
住民税決定通知書で確認すべきこと 所得、控除、課税標準
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住民税決定通知書とは何か?というと、住民税決定通知書が発行される一番の目的は、納税者に納税者の住民税を知らせるための書類です。
つまり住民税決定通知書には住民税が記載されています。
所得
住民税決定通知書では所得を確認することができます。
所得と住民税の関係は以下のようになっています。
住民税は、道府県民税と市町村民税から成り立っていて、道府県民税、市町村民税、それぞれが所得割と均等割から成り立っています。
つまり住民税は所得から計算されている部分もあるということです。
控除
次に所得控除ですが、前述の所得の際に出てきた「所得割」、つまり所得を元に計算される納付すべき部分の住民税ですが、以下のように計算することになっています。
所得を計算するには、サラリーマンであれば、収入から給与所得控除を引きます。個人事業主やフリーランスであれば収入から経費を引きます。
次に課税標準額を計算するには所得から控除を引きます。
つまり控除額がわからないと、課税すべき所得がわからないのです。
- 課税標準=所得-控除
課税標準
次に課税標準ですが、先述のとおり、所得割を計算するにあたっての税率をかける対象となる金額となります。
収入からサラリーマンであれば給与所得控除を引き、個人事業主、フリーランスであれば経費を引き、所得を算出します。
所得から控除を引いたものが課税標準となります。
その計算された課税標準が「総所得③」になります。
あとの山林所得、分離短期譲渡、分離長期譲渡、株式等の譲渡、上場株式等の配当、先物取引などがあれば、この課税標準に足されることになります。
わかりやすい例を出せば、サラリーマンに給与所得があり、それとは別に山林所得があれば、サラリーマンに給与所得が、所得→控除→「総所得③」となり、さらにプラス山林所得ということになります。
住民税決定通知書ってなに? 住民税額を知る書類、ふるさと納税や住宅ローンの審査書類としても使われる
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そもそも住民税決定通知書とはなんなのでしょうか?
住民税決定通知書は、様々な呼び方があります。
住民税決定通知書は、様々な呼び方
例えば以下のとおり
- 特別徴収税額通知書
- 納税通知書
- 税額決定兼納税通知書
- 個人市民税・県民税の税額決定通知書
- 住民税課税決定通知書
- 市県民税税額決定通知書・納税通知書
- 個人住民税の税額決定・納税通知書
- 納税通知書・税額決定通知書
- 住民税納付通知書
- 市民税・都民税(住民税)納税通知書
- 個人住民税(市民税・都民税)納税通知書
- 個人市・府民税の通知書類
- 市民税・県民税 特別徴収税額の決定通知書
- 特別区民税・都民税 税額決定・納税通知書
すべて住民税決定通知書です。
住民税額を知る書類
住民税決定通知書の本来の目的は、決定した住民税額を市町村が市町村民に知らせる書類です。
その他にも次のような項目があります。
- 所得
- 控除
- 課税標準
住民税決定通知書はサラリーマンの場合は、市町村から会社を経由して会社から配布されます。
個人事業主やフリーランスの人の場合は市町村から直接送られてきます。

ふるさと納税や住宅ローンの審査書類としても使われる
住民税決定通知書はふるさと納税や住宅ローンの控除額を確認したり、住宅ローンの審査書類としても使われます。
ふるさと納税にはワンストップ特例制度と確定申告がありますが、ふるさと納税をワンストップ特例制度を利用して申請すると、住民税の減税のみの控除となります。
ふるさと納税を確定申告すると、住民税と所得税の両方からの控除となります。
ふるさと納税を行った年の所得税からの控除(還付)と、翌年の住民税から控除となります。
>住民税決定通知書とふるさと納税の関係についてくわしくはこちら

住宅ローンの審査書類
住宅ローンの審査書類としても使われることもあるようです。
これは、住民税決定通知書によって、収入や所得がわかるからです。
住宅ローンの審査の際に、住民税決定通知書をなくしてしまって困っているということもあるようですが、通常は課税証明書や納税証明書で代替できる可能性が高いです。
課税証明書や納税証明書で代替できなかった場合については後述。
>住宅ローンの審査、課税証明書や納税証明書で代替できるについてくわしくはこちら

住民税ってなに? 住民税は地方税 身近な行政サービスに使われている
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そもそも住民税とはなんなのでしょうか?
住民税は地方税 身近な行政サービスに使われています。
住民税は地方税です。
教育、福祉、消防・救急、ゴミ処理などの身近な行政サービスに使われています。
住民税には「市町村民税」と「道府県民税」があります。
住民税には「個人住民税」と「法人住民税」があります。
県民、市民、町民など個人が負担するものが「個人住民税」、会社などの法人が負担するものが「法人住民税」です。
住民税は地方税
住民税は地方税です。
地方税ということはそれと対比するものがあり、それは国税ということになります。
国税は所得税などです。
住民税の計算方法は? 住民税には道府県民税と市町村民税、所得割と均等割がある
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住民税はどうやって計算されているのでしょうか?
住民税には道府県民税と市町村民税、所得割と均等割があります。
均等割の金額、所得割の税率
道府県民税 | 市町村民税 | |
---|---|---|
均等割 | 1,500円 | 3,500円 |
所得割 | 4% | 6% |
住民税には道府県民税と市町村民税があり、それぞれに均等割と所得割があります。
均等割と所得割については、現在道府県民税の均等割が1,500円、市町村民税の均等割が3,500円、道府県民税の所得割が4%、市町村民税の所得割が6%となっています(2022年(令和4年)5月25日現在)。
住民税決定通知書を会社がくれない? 課税証明書や納税証明書で代替を検討、無理なら会社からコピーをもらう等
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住民税決定通知書を会社がくれないということがあるようです。
次の方法が考えられます。
- 次の給料まで待ってみる
- 給与担当者に聞いてみる
- 課税証明書や納税証明書で代替可能か確認
- 会社からコピーをもらう
次の給料まで待ってみる
例えば5月の給与支給の際に会社が住民税決定通知書をくれなかったということならば、6月の給与支給日まで待ってみましょう。
住民税決定通知書の配布は一般的に5月か6月です。
給与担当者に聞いてみる
給与担当者に聞いてみる。
これが一番手っ取り早いでしょう。
もし会社として住民税決定通知書を配布する意思がないとしても、その後の行動をすぐに起こすことができます。
課税証明書や納税証明書で代替可能か確認
例えば、住宅ローンを組むときに金融機関から住民税決定通知書の提出を求められたとして、本当に住民税決定通知書が必要なのか?という問題です。
収入や所得が住宅ローンの審査要件なのであれば、住民税決定通知書より、課税証明書や納税証明書の方が適しているからです。
もちろん、金融機関が住民税決定通知書以外認めないというのであれば、それに従うしかありません。
会社からコピーをもらう
会社は住民税を源泉徴収しています。
12月には年末調整をし、所得を確定させ、それを税務署に送ります。
税務署は、その所得などのデータを市町村に連携し、それを元に市町村は住民税を計算します。
市町村は、その後会社が源泉徴収をするために住民税決定通知書を会社に送り、またその時に社員用の源泉徴収票も同封します。
つまり会社が社員用の住民税決定通知書をどう扱おうと、会社は会社用の住民税決定通知書を保管しているのです。
もし、なんらかの理由で会社が住民税決定通知書を配布しないのであれば、その会社用の住民税決定通知書のコピーをもらうという方法もあり得ます。
住民税決定通知書をなくしてしまったら会社からコピーをもらうという方法もあり得る
上述の様に、会社は必ず住民税決定通知書を保管しています。
もし、住民税決定通知書をなくしたのであれば、会社用の住民税決定通知書をコピーしてもらうと言う方法もあります。
もちろん、会社から断られる、提出先がコピーは認めない、という可能性も忘れてはいけません。
まとめ
住民税決定通知書はいつ届くの?ということでしたが、 5月か6月です。
住民税決定通知書でなにがわかるか?というと、ふるさと納税や住宅ローンの控除額です。
住民税決定通知書で確認すべきことは所得、控除、課税標準です。
住民税決定通知書は住民税額を知る書類、ふるさと納税や住宅ローンの審査書類としても使われます。
住民税は地方税で、身近な行政サービスに使われています。
住民税の計算方法の基本は、住民税には道府県民税と市町村民税、所得割と均等割があるということです。
住民税決定通知書を会社がくれないならば、課税証明書や納税証明書で代替を検討しましょう。無理なら会社からコピーをもらう等などの方法もあります。
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